ファーウェイ、ビデオ体験測定システム「U-vMOS」を発表

ファーウェイ、ビデオ体験測定システム「U-vMOS」を発表

[2015年9月9日、スペイン・マドリード]ファーウェイは本日、UBBF(ウルトラブロードバンドフォーラム)において、ビデオ体験を評価するシステムU-vMOSを発表しました。本システムは、主観的なビデオ体験のサンプル分析とビデオサービス体験全体を客観的に評価する関連技術による分析とを組み合わせることで、各指標を測定します。U-vMOSはユーザー体験測定の統一規格を提供し、これは通信事業者およびビデオ業界チェーンにとってユーザー満足度を向上させるための指針となります。 

Huawei announced U-vMOS

U-vMOSを発表するファーウェイ グローバル・マーケティングおよびソリューション・セールス担当プレジデント、王盛青(ケン・ワン)

ITU-Tは2009年、vMOS(Mean Opinion Score for Video:ビデオの平均オピニオンスコア)に関する研究を開始しました。その目的は、O&Mシステムでビデオサービス指標を測定する際の有効な基準を提供することでした。ユビキタスなビデオサービスが利用可能になった現在、加入者はテレビだけでなく様々な端末を使った包括的なアクセスを求めています。映像技術やコーデック技術が急速に発展するなか、解像度や画質は絶えず向上しています。ウルトラブロードバンド時代では、モバイルネットワークと固定ネットワークがシームレスに連携できるため、ビデオに対するマルチスクリーン、マルチネットワーク、マルチサービス体験が可能になりました。そのため、ファーウェイはより包括的な評価システムが必要であると考えています。様々なネットワーク、スクリーン、さらにシナリオにおいて、統一されたユーザー中心の基準によりビデオ体験の品質を評価できるシステムが必要です。

このような定義を明確にした上で、ファーウェイのビデオ研究チームは、エルゴノミクス、サンプル調査、詳細な技術研究を組み合わせて、ビデオ体験に影響を及ぼす上位3つの要因(ビデオの品質、インタラクティブな体験、ビデオ視聴体験)を特定しました。ファーウェイは、これら3つの要因の測定を可能にするために以下の3つの主要原則をU-vMOSで定義しています。 

主要原則1:ファーウェイは、人間の視覚の限界と実際に認識可能な解像度について、詳細な研究を実施しました。一般的な距離で様々な画面サイズと解像度においてビデオを見る各ユーザーの主観的な視聴体験の採点基準も、アルゴリズムで定義されています。U-vMOSは、360Pから8Kまでの範囲の解像度と4.5インチから100インチまでの範囲の画面に表示されたビデオをサポートすることで、同じ解像度をもつスクリーン間でのみ比較を行っていた従来のvMOSの定義の制限を打開しました。人間の目による最高の視聴体験を満点として、人間の視覚の特性と様々なスクリーンと解像度におけるビデオ視聴者の実際の反応を考慮し、点数が割り当てられます。

主要原則2:ファーウェイは、広範なラボテストと検証から得たデータを用い、最初のローディング時間、ザッピング時間、シークレスポンス時間を含む、様々なユーザーシナリオと視聴体験におけるユーザー相互運用性を評価する客観的な指標を定義しました。この原則により、U-vMOSを使用した視聴プロセス全体のユーザー体験指標の測定が可能になります。

主要原則3:ファーウェイは、異なるビデオアプリケーションシナリオにおける様々な視聴者の主観的な趣向についてサンプル分析を行い、これらの趣向やパラメータで重み付けした数学的モデルを策定しました。ファーウェイはさらに、主観的な趣向のパラメータを数式に加えることにより、異なるシナリオにおけるU-vMOSシステムの応用を可能にし、その「ナレッジベース」を拡大し続けています。 

要約すると、こうした測定および目的研究はすべて基本的に、ユーザー体験中心のU-vMOSシステムが統一の原則を使用して、異なるネットワークやアプリケーションシナリオにおけるビデオサービス体験を評価することを示しています。

ユーザー体験は業界をけん引する重要な要因であり、ビデオ体験の測定評価はビデオサービス発展の原動力となります。ファーウェイのU-vMOSシステムは、ビデオ業界が異なるネットワークやスクリーンにおける様々なビデオサービス体験を測定・評価する際に有用であり、ビデオ業界の発展を促進します。

ファーウェイは20年以上にわたってビデオサービスの発展に取り組んでおり、今後も最適なビデオ体験を提供するためのネットワークの構築や、4K@FBB、2K@MBBの実現への取り組みを続けます。UBBFにおいてファーウェイと業界パートナーは、ギガバンドによる「よりつながった世界」の実現を目指し、ウルトラHDビデオやVRなどの新たなビジネスコンセプトや革新的なテクノロジーに関するビジョンを紹介します。